バラ
バラは元々ヨーロッパからコーカサス地方にかけて自生するものと中国が原産地のものとに分けられますが、現在世界的に広く普及しているバラはこれらを交配して改良したものと言えます。韓国の野山のどこにでも咲いているノイバラは野生種のバラ、つまり野バラです。
バラの栽培の歴史についてはいくつもの説がありますが、ある説は紀元前2000年代から既にバビロン宮殿の中で栽培されていたと言われ、またギリシャで発見された壁画の中にバラが描かれていることからギリシャ時代にもバラが栽培されていた、とも言われています。バラの栽培の歴史は非常に長いのですが、これが園芸種として扱われ始めたのは西暦1500年頃からで、18世紀に入ってから更に活発になりました。
イギリスはバラを国花としています。15世紀後半になってから赤いバラを紋章としているランカスター家と白いバラを紋章といているユーク家の間で王位継承権を巡って「バラ戦争」が起きたのは有名です。30年間続いたこの戦いは結局ランカスター家のヘンリー7世がヨーク家のエリザベスを妻に迎えてテューダー朝を成立させることで終戦を迎えました。そのときに両家の紋章である赤と白のバラを混ぜ合わせて紋章を作りました。これをテューダーローズをいい、現在もイギリス王家の紋章として残っています。このようにしてバラはイギリスも国花と制定されたのです。
バラ(薔薇)という名前は中国語で、その意味は壁や柵の巻きつきながら咲いていたノイバラなどのつるバラを意味します。古今東西バラを歌った詩歌は多く、唐時代の詩人・高駢の「山亭夏日」がその中でも優れた作品と言えるでしょう。
- 緑木陰濃夏日 樹々の木陰は緑が濃く、夏の日差しは長い。
- 長楼台倒影入池塘 池畔の高楼はその影を逆さまに池に映している。
- 水精簾動微風起 水晶の簾がサラサラと動いて微かな風が起こり、
- 一架薔薇満院香 薔薇の棚からの香りが庭一面にたちこめている。
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