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梨の栄養価値 梨の活用法
 
梨の栄養価値

果実の1次的な機能は、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)などの無機質とビタミンB1、B2、C、Eなどの重要な供給源としての役割であり、2次的な機能はその味と香りにより人間の感覚特性を満たす、いわゆる嗜好食品としての効用です。
ここ近年では、生体制御(免疫機能)、代謝・生理機能の調整、病気の予防と治療、老化防止などの3次的機能、いわゆる機能性食品としての価値が注目されています。
現在生食用として栽培されている梨は、南方系の東洋梨(韓国梨、日本梨)と北方系の東洋梨(中国梨)、西洋梨の大きく3種類に分類されますが、種類によって果実の特性と成分組成が少しずつ異なります
韓国人と長い歴史を共にしてきた梨は私たちの体にいい代表的なアルカリ性食品で、可食率が80~82%、水分含量が85~88%、熱量は51Kcalくらいです。
熱量の大部分を占める成分は炭水化物で、この中で甘味を出す糖分の含量は10~13%で品種によってかなりの差があります。たんぱく質は0.3%くらいで他の果実と比べて大差ありませんが、食物繊維の含量が高いために便秘解消や整腸作用が優れており、また発がん性物質である多環系芳香族炭化水素の体外排出を促進する効果もあります。
近頃、梨に多く含まれるポリフェノール(Polyphenol)とフラボノイド(Flavonoids)という成分が優れた抗がん、抗炎症及び抗酸化作用を持つことが明らかになり、医学界などの関心を集めています。

  • 糖分
    糖分は、果実の嗜好食品としての品質を決める重要な要素の一つです。このような糖分は果実または品種によって差がありますが、梨にはブドウ、柿、バナナなどの果実に比べて多く含まれています。
    梨の糖分は10~13%で、一般的にショ糖(sucrose)が一番多く、果糖(fructose)、ブドウ糖(glucose)、ソルビトール(sorbitol)の順で続き、少量ではありますがイノシトール(inositol)も含まれています。 一般的にりんご、梨、スモモ、ビワなどのバラ科果樹は、糖分がソルビトールの形態で葉っぱから果実に移動され、果実が熟成されるにつれて果糖とブドウ糖の形態で蓄積されます。そして完全に熟成された後にショ糖が急激に増え、甘味を出します。
    このような各種糖分の中でソルビトールは糖アルコールの一種で、果実の中ではさくらんぼに特に多く含まれており、梨、スモモ、ネクタリン、りんごなどにも多く含まれています。

    浸透圧が高いために組織内の水分を引き寄せる力が強く、ソルビトールを1日20~50g摂取すると小腸で吸収されきれなかったソルビトールが大腸に到達して吸収作用を促進し、大便の柔らかくして便秘解消に役立つといわれています。 梨には果実1g当たり15~25mgくらいのソルビトールが含まれています。

 
  • 有機酸及びビタミン
    熟成した果実の有機酸含量は、梅(4~5%)とレモン(6~7%)を除けばほとんどが0.2~2.0%くらいです。
    梨の果肉に含まれている主な有機酸はりんご酸とクエン酸があり、0.2%前後と少ない方です 有機酸は私たちの体に溜まった疲労物質を除去する役割をしてくれます。
    梨には様々な種類のビタミンが含まれています。ビタミンB1とB2は疲労回復、免疫機能強化作用を持っていてりんごより多少多く含まれています。肌の美容にもよい効果を持つビタミンCは3~6mg/100gくらい含まれています。

 
  • 無機成分
    私たちが食べる食品はアルカリ性食品と酸性食品に分類されますが、健康を維持するためにはアルカリ性食品を多く摂取し、血液を中性に保つことが大事だと言われています。 酸性とアルカリ性食品は、その中に含まれる無機成分の含量によって異なります。無機成分の中でリン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)は体の中でリン酸、硫酸、塩酸などの酸を作り出すので、これらの成分がナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)などに比べて多く含まれている食品を酸性食品といいます。

    これに対してナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがリン、硫黄、塩素より多く含まれている食品は食べた後、体の中でアルカリ性の灰分を作り出すのでアルカリ性食品と呼ばれます。

 

果実の無機成分組成一覧 (単位 : mg/100g 新鮮重)

成分 りんご ぶどう みかん バナナ
カリウム(K) 57.0 51.0 67.0 57.0 66.0 44.0 56.0
ナトリウム(Na) 5.0 8.0 3.0 1.0 3.0 3.0 3.0
カルシウム(Ca) 10.0 8.0 6.0 12.0 3.0 23.0 1.0
マグネシウム(Mg) 6.0 6.0 3.0 5.0 6.0 5.0 5.0
鉄(Fe) 1.1 - 0.7 - 1.0 1.0 0.3
マンガン(Mn) 2.0 - 0.1 - 0.3 0.4 0.4
リン(P) 17.0 14.0 1.0 16.0 13.0 14.0 5.0
ヨード(I) 3.0 6.0 9.0 6.0 2.0 5.0 3.0
ケイ素(Si) 1.0 3.0 2.0 3.0 5.0 1.0 2.0
塩素(Cl) - - 0.4 1.0 0.2 1.0 1.5

梨はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの含量が75%、リンや硫酸などの含量が25%くらいの強アルカリ性食品です。梨やその加工食品を多く摂取することで血液が中性になり、肉類の消費が多い現代人の健康維持に大きく役立つでしょう。

  • アミノ酸
    遊離アミノ酸が多く含まれている果実は無花果、梅、メロン、桃などがあります。梨は150mg/100gくらいで果実の中で中位くらいの位置を占めています。
    主なアミノ酸としてはアスパラギン酸が全体の約37%を占め、その他グルタミン酸、セリン、アラニン、バリンがあります。梨は水分とアスパラギン酸を多く含んでいるため、肝臓の働きを促進させて体内のアルコールをすばやく分解し、二日酔いと喉の渇きを解消してくれます。
 
  • 食物繊維
    梨の食物繊維含量は1~2g/100gくらいで果実類の中ではかなり上位を占めています。これは果肉内に石細胞を持っているからです。
    食物繊維は不溶性(セルロース、ヘミセルロース等)と水溶性(プロテイン等)の2つに分類できますが、不溶性食物繊維は大便の容積を増大させて排便回数を増やし、発がん性物質が大腸に留まる時間を短縮して大腸がんを予防する効果があります。 最近の研究結果によりますと、食物繊維は喉頭がんの予防にも非常に効果的だそうです。喉頭がんはアメリカだけで毎年1万名ほど発病する深刻な病気です。
    水溶性食物繊維は各種栄養素が体内に吸収される速度を調節し、血液中のコレステロールと血糖値を下げたりナトリウムの吸収を抑制したりするなどの働きをします。
    食物繊維は口の中で噛む回数を増やして唾液の分泌を促進させます。胃液の粘度を増加させて食べ物が胃の中に留まる時間を長くし、消化を促進させます。そして空腹感をなくしてくれるなど、ダイエットにも効果的です。また腸内の有害菌を抑制する整腸作用もしてくれます。

 
  • フラボノイド類及びポリフェノール類
    梨にはケルセチン(quercetin)、ルテオリン(luteolin)などのフラボノイド類、クロロゲン酸(chlorogenic acid)、カテキン(catechin)、エピカテキン(epicatechin)、アルブチン(arbutin)などのポリフェノール類が含まれています。 フラボノイドやポリフェノールは食物が紫外線や昆虫から自分を守るために生成する2次代謝産物で、強力な抗酸化作用を持つために有効な機能性物質とされています。
    フラボノイドやポリフェノールは体内で紫外線などによって損傷を受けたDNAの回復を促進し、生体内の免疫機能を高めてがん細胞の増殖を抑制する作用をします。
    また、消化器内でコレステロールの吸収を抑制して血中コレステロール濃度を下げ、動脈硬化を予防します。血圧上昇を誘発する酵素の活性を抑制し、高血圧の予防にも効果的です。

    フラボノイド類の中でケルセチンは抗がんと抗酸化作用が優れていると言われていますが、梨には乾物重1kg当り20~45mgくらいのケルセチンが含まれています。
    そして気管支炎、痰、咳などを治めるのに効果的なルテオリンは乾物重1kg当り2.0~4.5mgくらい含まれています。
    また、梨の皮には強力な免疫機能を発揮するポリフェノールが非常に多く含まれていて、これを活用した機能性物質の開発と皮ごと食べられる梨の品種育成が進められています。

 
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